自分でできる 服のケア

今回のテーマ

自分でできる 服のケア

お気に入りの一着こそ、長く愛用したいもの。また、梅雨時期は部屋干しで匂いが気になったり、なかなか服が乾かなかったりなど洗濯の悩みはつきません。

そこで、おうちでできる正しい洗濯や服のお手入れ方法などを、ファッションアドバイザーの日比理子さんに伺いました。

服の手入れが捗るグッズを取り扱っているてんちかのショップや、お気に入りの一着が見つかるファッションショップもご紹介!もっと気軽にファッションを楽しみましょう♪

 

お気に入りの服を長く着るために、日々のお手入れ方法について教えてください。

■洗濯表示を確認して、素材に合ったお手入れを!

たくさん着るつもりで買ったのに、購入してから『実は家で洗えない素材だった!』など、こんなハズじゃなかった!という悲劇を招かないために、購入前に洗濯表示は確認しておきましょう。

 

①洗濯表示は難しくない!最低限ココだけチェックすればOK!

洗濯表示の一番左端のマークをチェックしましょう。ココを見るだけで、洗濯方法がわかります。

表示がたくさん並んでいるものは、左上のココをチェックしましょう。

②洗濯表示は大きく分けて、この3パターンだけ!

●洗濯機OKマーク

数字や下の棒線はあまり気にせず、洗濯機を使って大丈夫です。数字の表記は、洗う水温が40度まで。桶の下にある棒線がある場合は、弱めの水流で洗って下さいという意味になります。

●手洗いならOKマーク

手洗いで洗うようにしましょう。やさしく洗い上げる「おうちクリーニング」コースなどのデリケートな衣類専用のコースがあれば、洗濯機洗いもOKです。

●おうちでの洗濯NGマーク

おうちでの洗濯禁止を意味しています。洗濯機洗いも手洗いもできませんので、注意しましょう。

 

■素材に合った洗剤を正しく使いましょう。

①洗剤の目安量を守る

洗剤の量を間違えると期待される効果が出ないことも。素材に合った洗剤を使用し、洗剤のパッケージに記載されている目安となる量をきちんと量りましょう。

 

②洗剤をそれぞれの投入口から注ぐ

面倒だからといって、衣類の上から直接洗剤をかけるのはNGです。原液のまま洗剤をかけてしまうと衣類にダメージを与えるだけでなく、洗剤がすべての衣類に行き渡らなくなり、汚れ落ちが悪くなる場合もあります。洗剤はそれぞれの投入口から注ぐようにしてください。

 

―Tシャツの洗濯方法について教えてください

●白いTシャツ

黄ばんだり色移りしやすいため、濃い色の洗濯物と混ぜないことが大切。色が白っぽい、薄いものと一緒に洗うようにしましょう。本来の白さを保つために、定期的に酸素系漂白剤を使うのも◎。

●黒いTシャツ

コットン素材は摩擦でところどころ白っぽくなりやすい(白化現象)ので裏返してネットに入れて洗いましょう。色あせ防止のため、干すときに直射日光は避けたほうが良いです。

●色落ちしそうなTシャツ

いったん色移りしたものはなかなか取れないので、最初は白っぽい洗濯物と一緒にせず、色の濃いものと一緒に洗いましょう。心配な場合は、最初は単品で手洗いするのも一つの手。最初に色を落としきってしまうと、次からはほとんど色落ちしなくなります。

 

―素材別の洗濯方法について教えてください

●デニム

型崩れや脱水ジワ防止のため、畳んでネットに入れて洗濯機へ。摩擦などで色落ちさせたくない場合は、デニムを裏返すようにしましょう。サイズに合う洗濯ネットを使うと、ヨレなくきれいに仕上がります。また、生地の傷みと脱水ジワを防ぐため、デニムの脱水は1分程度に抑えましょう。脱水しすぎないことで、干す際に水分の重みでシワが伸びやすくなるメリットもあります。

●シルクやサテン生地

洗濯表示を確認し、指示通りに洗いましょう。手洗いできるものはデリケート素材用の中性洗剤など使用し、やさしく押し洗いします。摩擦に弱く、とてもデリケートな素材のため、脱水は洗濯機を使わずに手で軽く絞ったあと、タオルなどではさみ込むようにして水気を切ります。

●ニット

 

洗濯表示を確認し、洗濯できるものならデリケートな素材に使える中性洗剤でやさしく洗いましょう。シミや、汚れが気になるエリ・ソデ部分は、洗濯石鹸などであらかじめ汚れを落とし、前処理をしておきます。ウールやカシミアなどデリケートな素材は中性洗剤で優しく押し洗いするのが基本。縮みの原因となるため、揉み洗いは厳禁です!中性洗剤をよくすすいだ後は柔軟剤を使ってもOK。軽く手で絞ったら脱水機へ。脱水ジワ防止のため、ビューンと高速で脱水運転がはじまったら30秒程度で取り出します。一度ついた脱水ジワは取れにくいので、脱水に時間をかけないことがポイント。

 

外出先でシミがついた場合や、頑固な油のシミがついてしまった時のケアを教えてください。

デリケートな素材でなければ、コンビニやドラッグストアなど販売されている専用のシミ取り洗剤が、油性と水性どちらのシミにも使えておすすめです。外出先など急ぎで落としたい場合は、化粧室の手洗い場の液体石鹸でも応急処置は可能です。シミは時間の経過とともに落ちにくくなるので、帰宅したら早急に適切な処置をしましょう。

●シミ抜き方法

下に乾いた布を敷き、シミの外側からトントンと汚れを下の布に移すようにやさしく叩いていく。汚れが完全に消えたのを確認後、薬剤を硬く絞ったタオルでふき取って作業終了。

輪ジミもなく、きれいな仕上がりに!

ポーチに入る携帯サイズのシミとり洗剤は、いざとういう時に持っておくと便利。オフィスのロッカーやデスクなどに入れておくと安心です。

 

 

―部屋干し臭を避けるための方法や、気をつけるべき点を教えてください。

①酸素系漂白剤を使う

酸素系漂白剤なら色柄のある衣類にも使えます。ニオイの素となる菌の除菌、抗菌作用が強いので、普段の洗剤に混ぜて使うと効果的です。それでもニオイが気になる場合は、酸素系漂白剤でつけおきしましょう。漂白剤が使えない素材もあるので、確認して使用してください。

 

②サーキュレーターや乾燥機を使う

菌の繁殖を抑えるためにも、早く完全に乾くように工夫することが大事!普段からサーキュレーターを活用して風の通りをよくしましょう。洗濯機の乾燥機や浴室乾燥機があれば、短時間で衣類を乾燥させることができるので部屋干し臭に効果的です。

 

③洗濯槽のお手入れはマスト

見た目にはわかりませんが、洗濯槽の裏側は、黒カビやニオイの素の温床になりやすいため、月に1回(最低でも2~3ヶ月に1度)は専用洗剤で洗濯槽を洗浄しましょう。

 

―洗濯後は、どのように衣類をしまっておくと良いのでしょうか。

しまい方に決まりはないので、おうちの収納環境に合わせた方法でOK!基本的に、型崩れしやすいものは畳んで収納し、シワになりやすいものはハンガーにかけて収納するのが良いでしょう。

●襟付きシャツ

ハンガーにかけて収納する際、襟まわりのボタンを1~2個留めておくと、襟周りがきれいな状態を保てます。ボタンを外してかけておくと、襟元のヨレや余計なシワにつながってしまうので注意しましょう。

●ボトムス

きれいめパンツやスカートなどは、ハンガー収納がおすすめです。省スペースで済む上、シワになりにくいというメリットも。

中でもセンタープレス入りのパンツは、裾から吊るす機能的なハンガーを使うと良いでしょう。パンツの重みでプレスがきれいに維持しやすいです。

●デニム

デニムは重みがあり、畳んでもシワが目立たないので、畳み収納でもOK!色移りの心配があるので、濃い色のものは薄い色と隣合わせにならないように収納しましょう。

 

衣替えで収納する服は、どのようにケアしたらよいか教えてください。

皮脂や汗の汚れは時間の経過とともに浮き出てくることもあるので、しっかり汚れを落として、きちんと乾燥させてから収納するのが基本です。洗濯表示を確認して、おうちでの洗濯NGの表記があれば、クリーニングでケアしてもらいましょう。

クリーニングから戻ってきた衣類は、そのままにしておくと通気性が悪いため、ビニール袋から取り出して収納を。季節外のアウターやスーツ、ドレスなどはホコリや汚れや擦れから守る不織布カバーなど、通気性の良い素材のものがおすすめです。

重みのあるざっくりしたニットは、ハンガーで肩のラインがボコっと崩れたりニットの重みで伸びたりしてしまうので、畳んで収納するのが良いでしょう。シワがついてしまうと着たい時にすぐに着れないため、きちんと畳んで収納しましょう。また、シーズンになってニットを着ようと思ったら、虫食いで穴があいていたという経験はありませんか。天然素材だけでなく、化学繊維でも虫食いの被害はあります。衣装ケースなど密閉された場所に収納する場合は、防虫剤を活用しましょう。引き出し・衣装ケース用の薬剤は上から下に広がるので、衣類の上に置き、期限がきたら交換してください。

 

 

日比さんが、「ファッションアドバイザー」になろうと思ったきっかけを教えてください

元々色彩に興味があり、カラーコーディネーターの資格を持っているのですが、ファッションを通じて色彩や配色などの小難しい理論を、少しでも簡単に楽しく、多くの方々へ伝えられたらなと思ったのがきっかけです。

ファッションアドバイザーになってからは、服をもっと大切に着るようになりました。なので、現在私のブログでは、『よし、これならできそうだからやってみよう!』とみなさんに思ってもらえるような、服のお手入れのテクニックやコーディネートを盛り込んでいます。

 

日比さんにとって、“服”とはどのような存在でしょうか。

“服”はその人を素敵に見せたり、気分を高揚させたり、自己肯定感を上げてくれる大切なツールの1つですが、外側だけでなく、同時に内面を磨くということも同じくらい大切にしなければ、本当の意味で「魅力的な人になる」ということは難しいと実感しています。そのようなことも踏まえた上で、気負いすぎず、これからも自分らしいファッションを楽しんでいけたらと思っています。

 

最後に、“自宅での服のケア”を取り入れてみようと思った方へ、メッセージをお願いします。

おうちでの服のケア方法を知ることで、手入れすることに抵抗がなくなり、自分で洋服をきれいな状態に保てることが楽しくなります。ちょっとした手間をかけることで、まるで『自分の子ども』のような愛着がわいてきたらしめたもの!

何かとバタバタ忙しい毎日ですが、洋服のお手入れに集中することは『こころを整える』ことでもあるので、ぜひ実践していただきたいです。

 

【プロフィール】

ファッションアドバイザー/カラーコーディネーター

日比 理子

ブログを通じてファッションや色彩関連の発信を始め、雑誌や新聞、TVなど様々なメディアに出演。アパレルブランドとの商品開発も手掛け、著書の累計発行部数は12万部、監修本・関連書籍多数。

 

「The LIFE」には、日常をもっと豊かにしてくれるヒント集が盛りだくさん。

↓記事はこちら↓

【「服のケア、洗濯」関連アイテム取り扱いhttps://www.tenchika.com/shop/biople/ショップ】

イッツ デモ 東2番街

3COINS 西2番街

ビープル 東4番街

大賀薬局 西6番街

薬マツモトキヨシ 西11番街

【「ルームフレグランス」関連アイテム取り扱いショップ】

ザボディショップ 西2番街

プロポーションアリュール 東3番街

ラリン 西4番街

ビープル 東4番街

バースデイ・バー 東5番街

アルビオンドレッサー 西8番街

薬マツモトキヨシ 西11番街