サステナブルなファッション。お気に入りを身につけて、未来を変えよう。

今回のテーマ

サステナブルなファッション。お気に入りを身につけて、未来を変えよう。

ここ数年、よく耳にするようになった「サステナブル」。直訳すると“持続可能な”という意味ですが、より日常的な言葉に言い換えると、続けていけるかどうかを考えることなのではないでしょうか。地球の資源は限られています。作り続けることも捨て続けることもできないなかで、どうしたら“地球で暮らすことを続けていけるのか”一緒に考えてみませんか。

そこで今回は、衣服の生産から廃棄過程で、自然環境や社会への影響を意識する“エシカルファッション”の情報発信を行う鎌田安里紗さん主催のオンラインコミュニティ「Little Life Lab」に、サステナブルなファッションについて教えていただきました。

さらに、サステナブルな素材を使った服やアクセサリーなどを取り扱う、てんちかのショップもあわせてご紹介します。

―現在、廃棄される衣服の量はどのくらいなのでしょうか。

現在廃棄されている衣服の量は、一日あたり1300t(大型トラック130台分)と言われています。また、家庭から手放される衣服の量は年間75万t。うち約50万tがごみとして廃棄されています。

衣服一着を作るのには、エネルギーがたくさんかかります。衣服はまだ着られる状態で捨てられることが多く、せっかくたくさんのエネルギーをかけて作った衣服を、エネルギーをかけて捨てるのはもったいないですよね。私たちは、環境のため、地球のため、エネルギー節約のために服を捨てないで!という視点よりも、愛着を持って着続けられる衣服を選び抜くこと=日常の幸福度を高めることの方が大事なのではないか?と思っています。

本当に好きなものを長く大切に着る。もし、飽きてしまったりライフスタイルが変わって合わなくなったりしても、人に譲れるぐらい大切に着る!その姿勢が大切なのではないでしょうか。

 

―私たちは、どのような取り組みをしたらよいのでしょうか。

素朴なことですが、服を買う前に本当に必要なのか真剣に考えてみてください。セールで安くなっているから、なんとなく使えそうだから、持ってないアイテムだから、ではなく、自分のライフスタイルに合っているかな?たくさん着られるかな?など、深く考えてほしいです。

また、白いシャツなどに汚れやシミがついたり飽きたりしたら、染め屋さんで染め直してもらい、アップサイクルするのもサステナブルな取り組みの一つです。私のクローゼットはどんどん黒い服で埋まっていっています(笑)。

 

―そもそも、どのような服を買えば長く着られるのでしょうか。

本当に納得した服を買うことですね。例えば、染め直しなどアップサイクルのことを考え、明るめの服を買うときは、染め直せない化学繊維ではなく天然素材にしましょう。長持ちするために、縫い目のほつれがないか、ゴムの替え口があるかなど、縫製がしっかりした衣服を選ぶこともポイントです。

靴や鞄はお直しを受け付けてくれる物を。流行りの衣服が欲しい時は、みんなが持っているから欲しくなっていないか立ち止まって考えるようにしてください。

 

―福岡県の気候(夏は猛暑、冬は5度を切る時も)に合った、サステナブルなファッションを教えてください。

冬のコートは長年使えるので、気合を入れて満足のいく1点を買ってもいいのではないでしょうか。ダウンアウターであれば、ダウンの素材を調達するときに鳥から毛をむしり取るライブプラッキングが問題になっているので、リサイクルダウンやカポックという木の身から作るダウンなどを探してみてください。

夏なら、劣化の早いサンダルはシーズンが終わったらクリーニングに出してからしまうと、来年もキレイに履けます!白い衣服は黄ばみやすいので、クリーニングやしっかり自宅で手入れをしてからしまうようにしましょう。

また、車移動であれば足捌きの悪いロングコートは避けるなど、ライフスタイルに合った選び方も大事です。“一度着た服を次も同じ人の前で着るのは避けたい”という価値観も思い切って取っ払い、季節ごとの精鋭アイテムに愛着を持って着ましょう。

 

―一人ひとりの意識を変えるために、大切なことはなんでしょうか。

小さなことでも1つやれば絶対+1になります!常に完璧にやるのではなく、少しでも、たまにでも、無理せず小さなことからコツコツと意識を変える、行動することが大切だと思っています。

また、ポジティブな発信も大切だと思っています。“もう服は買えない”“買っちゃダメだ!”という恐怖にかられて行動すると続かないので、楽しく無理せず続けていけるようにしていきたいですね。

 

―「Little Life Lab」を立ち上げたきっかけや、普段どのような活動をしていらっしゃるかを教えてください。中でもファッションについては、どのような活動をされていますか。

もともと衣服の生産背景に関心があり、調べていくととてもおもしろいことに気づきました。衣服から日用品へと、生活の解像度が上がったら楽しそうだと思ったのがきっかけです。

一人で考えていてもできることには限界があるので、いろんな人の視点を持ち寄ればいいのでは!?というところから、「Little Life Lab」が立ち上がりました。

また、衣服に限らず日常のいろんなこと、些細なことから大きなことまで、みんなで考える場所が欲しくて。同じ出来事を経験しても、同じ場所を訪ねても、人によって感じることや、心に残ることは違います。一人ひとりが、日々暮らし働く中で目に留まることや気になること、みんながそれぞれ見えている世界の視点を持ち寄ることで世界の解像度が上がり、新しい景色が見えたらいいなと思っています。

 

主な活動内容は、

①やってみたいことを実験してみる

たとえば、洗剤やシャンプーを比べてみたり、コンポストを始めてみたり、ものづくりの現場を訪ねたり。やってみたいけど、わざわざ1人ではやらないいろんなことを、メンバーと一緒に試しています。

②気になるあの人に話を聞く

こだわりを持ってものづくりをしている人、循環型ビジネスに取り組んでいる人、どんな考えを持っているのか気になる人など、メンバーが気になる方々をゲストに招いてお話を聞きます。

③おすすめの本や映画や展示の情報をシェア

自分が読んで良かった本、見て刺激を受けた映画や展示の情報交換も活発です。気になったものを見つけたら、メンバーを誘って一緒に観に行くことも。毎月1冊本を決めて、みんなで感想をシェアする読書会も開催しています。

④メンバーの活動応援

プロジェクトを立ち上げたい、活動を始めたいけど意見が聞きたい、ワークショップを試しに開催したいなど、メンバーの挑戦を応援します。

中でもファッションについての活動は、洗濯洗剤の使い方実験やファストファッションの映画を題材にディスカッションをしたことも

また、Little Life Labのメインイラストリニューアルを記念して、自分たちらしく、新しいものではなく今持っているものを愛着持って長く使える、オリジナルグッズを作りました。

・風呂敷(結べばバック・風呂敷、ちょっとした敷物や膝掛け、カットして自分の好きな布小物、エコラップにもなる)

・ワッペン(エコバックなど既に使っているものをリメイクする)

・生分解性シール(マイボトルなどに貼る)

風呂敷とワッペンはメンバーの一人が普段からお付き合いしているインドの生産チームに依頼し、オーガニックコットンや廃棄予定の布切れを使用。シルクスクリーンやハンドプリントなど職人技にこだわり、顔の見えるものづくりの実践をしました。

衣服との関わり方についてモヤモヤすることや気になることを話して、それぞれの意見を深める場を作っています。

 

―「Little Life Lab」主催の鎌田さんが考える、サステナブルなファッションに必要なことを教えてください。

よく迷って、よく考えることですね。正解はないので、本当にこれはいい服?いい会社なの?“いい”ってなんだろう?と自分の頭で考え、ためらい続けることが大事なのかなと思っています。

 

―最後に、サステナブルなファッションについて何か取り組みを始めようと思った方に、メッセージをお願いいたします。

買い物とは自分のことを改めて知るチャンスです!服を買う時の判断基準は人それぞれ違いますし、その時々の状況で変わり常に完璧な判断ができるわけではありません。そんな中でも、自分が何を好きか、自分が何を大切にして過ごしているのか、その自分の選択に誇りを持てるか、そういったことを“新しく衣服を自分のクローゼットに迎える時”、ていねいに考えてみるのもひとつ。

デザインがすごく気に入っている、生産背景に共感できるなど、自分で納得した上で選択をし、買ったものを大切に着る。すごくシンプルに思えるかもしれませんが、実はこれが一番重要なことなのではないかと思っています。

 

【プロフィール】

LITTLE LIFE LAB主宰

鎌田 安里紗

「多様性のある健康的なファッション産業に」をビジョンに掲げる一般社団法人unistepsの共同代表をつとめ、衣服の生産から廃棄の過程で、自然環境や社会への影響に目を向けることを促す企画を幅広く展開。種から綿を育てて服をつくる「服のたね」、衣食住やものづくりについて探究するオンラインコミュニティ「Little Life Lab」なども主宰している。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程在籍。

【HP】https://littlelifelab.co/

【Instagram】https://www.instagram.com/arisa_kamada/?hl=ja

【Twitter】https://twitter.com/arisa_kamada

 

他にも、日常をもっと豊かにしてくれるヒント集がいっぱい♪

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【サステナブル関連アイテム取り扱いショップ】

「レディス」
アズール バイ マウジー 3番街

アンタイトル 西5番街
キャトルメラージュ 東5番街
ココディール 東5番街
ジル バイ ジルスチュアート 東5番街
ストロベリーフィールズ 8番街
ビースリー 西2番街
ビス 西10番街
フカヤ 東5番街
ロペ 西6番街
ロペピクニック 西1番街

「メンズ・レディス」
グラニフ 東2番街
WWS 東9番街

「呉服・和装・小物」
鈴乃屋 西5番街

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クラチカ by ポーター 東8番街
グレゴリー 西5番街
サマンサタバサ 西9番街
ダイアナ 西8番街
ビルケンシュトック 東8番街

「雑貨・ジュエリー・アクセサリー」
バースディ・バー 東5番街
ベントゥーノ 西11番街
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「時計・メガネ・コンタクト」
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「ドラッグ・コスメ」
アテニア 西11番街
ビープル バイ コスメキッチン 東4番街
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ラッシュ 東4番街

「生活雑貨・ホビー・書籍・花」
ダイソー 11番街

 

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